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’21年秋は政治の季節!
自民党総裁選の投開票が9月29日(水曜)に予定されています。ここで選ばれた新総裁はこの次の衆議院議員選挙における“党の顔”となるだけでなく、これまで通り自民党が政権与党の座を維持した場合には日本の総理大臣になるということもあり、大きな注目を集めています。
(↑)自民党総裁選は秋の衆院選の命運をわける重要なイベント。
また、さらに今回の総裁選を興味深くしているのが、波乱の展開が続いていること。特に、サプライズだったのは菅総理が総裁選に立候補しないと表明したことでしょう。
【参考】菅首相 自民総裁選に立候補せず 総裁任期満了に伴い首相退任へ | 2021自民党総裁選 | NHKニュース
これにより、政権の現役閣僚たちが菅首相に遠慮することなく立候補可能になったという流れとなり“戦国時代”が到来したのです。ちなみに、記事作成時点で総裁選への立候補に意欲を表明していると報道されている人たちは以下の通り。
2021年の自民党総裁選出場すると見られる議員
※記事作成時点。50音順。
- 河野太郎さん
- 岸田文雄さん
- 高市早苗さん
また、上記の他にも石破茂さん、下村博文さん、野田聖子さんらは出馬の可能性が高いとされており、他にも小泉進次郎さんや茂木敏充さんの動向が注目されています。
実績がある人、クセの強い人……みなさんキャラ立ちしているので、普段「政治に興味がないよ」って人でも注目せざるをえないのがこの総裁選。AppBankは普段テックメディアとしてニュースを配信しているのですが……今回は政治の話題も書かないワケにはいきません。だって、そうでしょ? 乗るしかない、このビッグウェーブに!
注目はこの人!
(↑)画像出典:sanae.gr.jp/
波乱の展開が続く総裁選ですが、その中でも風を起こしているのは高市早苗さん。衆議院議員を8期務め、安倍内閣(第二次)では総務大臣として史上最長となる在職期間記録を持つというベテランです。そして今回、高市さんに注目すべき理由はこの3つ。
<理由1>夕刊フジのアンケートで人気
夕刊フジが8月20日に実施し、2625人が回答したというアンケートでは高市さん支持が81%というブッチギリの人気。アンケート当時は出馬が見込まれていた菅さんや下村さんを大きく引き離す結果となっています。
次の自民党総裁にふさわしいのは誰? 高市前総務相が衝撃の「81%」 菅首相の11・9%を7倍近く引き離す 夕刊フジ・zakzak緊急アンケート|夕刊フジ公式サイト
《自民党のイメージを変えるには、女性で爽やかにいった方がいい》《現実は菅総理の再選だが、理想は高市さん。政策も国家観も申し分なし》などと、高市氏に期待する声が上がった
もちろん、自民党の総裁選は一般投票ではありませんし、アンケート当時と今は状況が大きく変わっていますが「8割超の支持」という人気ぶりには注目しないわけにはいきません。
<理由2>安倍元首相が支持を表明
史上最も長く総理大臣を務めた安倍元首相は、現在でも自民党内に大きな影響力を誇っていることは間違いありません。そのため、「安倍さんが誰を推すのか?」は総裁選の結果を占う上でとても重要な要素であると言えるのです。その安倍さんが9月4日の時点で早々に高市さんを支持すると表明したというニュースが流れています。
安倍前首相、高市氏を支援の意向 自民総裁選|日本経済新聞
安倍晋三前首相が自民党総裁選で高市早苗前総務相を支援する考えを示したことが4日、わかった。安倍氏が出身派閥の細田派の幹部や高市氏本人に伝えた。
その影響力の大きさゆえに「安倍さんはだれを支持するかをスグ明らかにすることはないだろう」という見方も多かった安倍さんですが、早々に支持を明確にしてきたことは”高市旋風”の勢いを感じさせられるところ。自民党の総裁選に出馬するためには党内から推薦にを20人を確保する必要があり、初期は「高市さんが20人集められるのだろうか?」という声もありましたが、安倍元首相の後押しが決まった以上、20以上を集められる可能性はグッと高まったとみてまちがいありません。
<理由3>サイバーセキュリティ政策
テックメディア的にはツイッターにめっぽう強い河野太郎さんが気になるところですが、それ以上に大事なのはサイバーセキュリティ政策。隣国のサイバー軍が関わるとも言われるハッキング(クラッキング)の被害が日々報じられ、英語圏では“米中がサイバー&核戦争を繰り広げる”という衝撃的な筋書きの小説『2034』がベストセラーになるなど、この分野への注目はますます高まっています。
高市さんは自民党のサイバーセキュリティ対策本部長を務めた“ガチ勢”なので、この点も注目したいところ。2018年に公開された動画でも、おおいにセキュリティについて語っていて、生活者、産業界、そして国家安全保障という多角的な視点で見たサイバーセキュリティ論を披露しています。特に「日本産業がサイバーセキュリティ能力も持つようになれば、ビジネスとして高い競争力を持てるようになる」という主張は明快で、ファーウェイ問題などが世界を震撼させた状況を踏まえれば、日本企業の強みのひとつとしてサイバーセキュリティ能力を高めていくという戦略には強くうなずけるところです。
なお、高市早苗さん本人と見られるツイッターアカウントは、記事作成時点ではそれほどアクティブではありません。一方で、有志と見られる人たちのアカウントがあるようなので、ツイッターで情報を追いたい人はこのあたりをチェックすると良さそうです。
» 高市早苗政策後援会 (@TakaichiKoenkai)|Twitter
専門家からみたサイバーセキュリティ政策の重要性
米Linkedinでサイバーセキュリティ責任者を務め、現在はホワイトハッカーとして活動するサイバーセキュリティーの専門家小菅祐史氏は「日本のサイバーセキュリティは海外の先進国と比較してその対策に出遅れている」と指摘しています。2016年には、自衛隊に:サイバー防衛隊が新編され、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)などと連携し活動をしてきているものの、記事作成時点においても日本企業が海外の政府が関与する疑いがあるサイバー攻撃の被害に繰り返し遭っている状況があります。
同氏は「政策としてサイバーセキュリティが明確に取り上げられることで、より多くの人が身近に存在する脅威に皆さんが目を向けてくれることは、日本の国益にかないます」と言います。政策の課題としてもサイバーセイキュリティに注目が集まることで、日本サイバー防衛力がより強靭なものになると期待を寄せていました。
- 小菅 祐史(こすが ゆうじ):米国防総省(U.S. Dept Of Defense) Hack the Pentagon ranking 5thのホワイトハッカー。経済産業省が所管するIPA(独立行政法人情報処理推進機構)でセキュリティソフトの開発に携わり、米Linkedinではサイバーセキュリティ責任者を務めた。現在はShared Computing Platformの開発などに取り組む。
サイバーセキュリティを知るのにおすすめの一冊
サイバー攻撃から暮らしを守れ!
「サイバーセキュリティの産業化」で日本は成長する
自由党のサイバーセキュリティ対策本部長や第2次安倍内閣で総務大臣を務めた 高市早苗衆議院議員がスマホから電気・ガス・水道、そして自動車や物流、医療にまで広がるサイバー攻撃の危機を明らかにした一冊。サイバー攻撃へのディフェンスの重要性を強く訴えるともに、その対策は日本の産業が国際競争における優位性を獲得するための投資にもなると説く。マンガによるわかりやすい解説や用語集も付きで、入門書としてもおすすめ。Kindle電子書籍版あり。
【トリビア】高市早苗さんはヘヴィメタ・バンドのドラマーだった
平成29年度電波利用環境保護周知啓発強化期間デーモン閣下のライヴイベントにおける 高市大臣会見の概要(平成29年6月1日)|総務省|
私は、個人的に、大学時代に軽音楽部ROCKというものに所属しておりまして、ヘヴィメタバンドのドラムをやっておりました。
ヘヴィメタがお好きとは、意外すぎる! 2021秋の自民党総裁選の台風の目になりそうな高市早苗議員。今後の動向に注目です!
Source: appbank