Open DMS Lite を表示したスマホをダッシュボードに設置し運転する男性

株式会社トライプロは10月20日、スマートフォンのインカメラで運転者の眠気の兆候と脇見を検知するAndroidアプリ『Open DMS Lite』を同日より無料で公開したと発表しました。

専用機器や配線は不要で、オフラインで動作するため通信契約のSIMも必要ありません。あわせて、夜間やサングラス、外部カメラ、2カメラに対応する有償版『Open DMS Full』が近日中にリリースされる予定です。

DMS装備の義務付けが施行、体験の入口となるアプリ

国土交通省は2026年9月30日、眠気警報装置・脇見警報装置(DMS)の装備を義務付ける保安基準の改正を公布しました。対象はトラック、バス、乗用車などの自動車で、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、被牽引自動車は除かれます。

義務付けの規定は10月20日に施行されました。実際の適用は新型車が2031年9月から、継続生産車が2033年9月からです。詳細は国土交通省の報道発表で公開されています。

同社は、DMSが実際にどう働くのか、運転者にどう受け止められるのか、運行管理にどう生かせるのかを、まだ体験したことがない企業も多いとしています。『Open DMS Lite』は、費用をかけずにDMSを体験するための入口として公開されたアプリです。

Open DMS Liteの機能

眠気の検知

眠気の検知では、長い閉眼、頭が前後に揺れる「こっくり」、あくびの続発を捉えます。閉眼は1.5秒で注意、2.5秒で強い警告が出る仕組みです。いずれも音、振動、画面で知らせます。

あくびの頻発を検知し、控えめな音で知らせる画面の説明図

脇見の検知

脇見は、前方以外を長く見ている場合に知らせます。UN-R183の考え方に沿って速度に応じて判定時間が変わり、時速50km超では3.5秒、それ以外では6秒です。時速10km未満では鳴りません。

よそ見・スマホ見で横を向く運転者と「前を確認してください」の警告画面

プライバシーと記録

映像や顔画像は端末内で解析され、すぐに破棄されます。ネットワーク通信は行われません。記録されるのは、警告の種類、時刻、継続時間、速度の数値だけです。

運行ごとの警告の一覧は運行後に確認でき、CSVで書き出せます。同社は、点呼や安全指導の話題づくりに使えるとしています。警告の条件は10項目のスライダーで調整でき、標準設定のままでも利用できます。

使い方と必要なもの

利用の流れは3ステップです。まず、スマートフォンをホルダーに取り付けて顔が映ることを確認し、目を開けた状態と閉じた状態を登録します。

次に運行を開始します。運行中は、眠気の兆候があると画面の色、音、振動で「休憩してください」などと知らせます。前方以外を長く見ている場合は「前を確認してください」と通知され、運行後には記録を確認できます。

必要なものは、インカメラのあるAndroid 13以上のスマートフォン、車載ホルダー、電源(充電ケーブル)です。スマートフォンがない場合や台数分をそろえたい場合には、中古・新品のスマートフォンが18,000円(税別)から用意されています。設定を済ませてから納品することもできるとのことです。

入手方法とオープンソース化

アプリは、トライプロの製品ページからダウンロードできます。Google Play Storeでも近日中に公開される予定です。

ソースコードも近日中に、オープンソースソフトウェア(MIT License)として同社サイトとGitHubで公開される予定です。詳細は製品ページで案内されるとのことです。

OpenDMS紹介動画

有償版『Open DMS Full』は近日リリース予定

『Open DMS Full』は、Liteでは対応していない環境にも対応する有償版です。外部カメラに対応し、インカメラと外部カメラ1台、または外部カメラ2台の2カメラ構成で使えます。Liteはスマートフォンのインカメラ1台のみです。

夜間には、超高感度センサーまたは赤外線LEDを使った夜間対応カメラで、夜の車内でも顔を捉えます。Liteは夜間に非対応で、暗い環境では検知できません。

サングラスについては、外付けの赤外線カメラを使用した場合に、主要メーカーの偏光サングラスへ対応済みとのことです。Liteでは検知できない場合があります。

信号待ちなどの停車中には、rPPG(カメラ脈波)で脈拍やメンタル・ストレスの参考値をリアルタイムに計算して通知します。この機能は当初ベータ版として提供される予定で、Liteにはありません。

参考予定価格は19,800円(税別、カメラ1台込み)からです。予定価格は変更される場合があり、詳細は問い合わせが必要です。

利用時の注意点

『Open DMS Lite』は、DMSがどんなものかを体験するための後付けのスマートフォンアプリです。保安基準やUN-R182/R183への適合を保証するものではなく、国の認定・認証を受けた製品でもありません。

車両の電源(ACC)と連動しないなど、基準のすべてを満たすものではなく、車両に求められるDMSの装備を代替するものでもありません。

また、医療機器ではありません。事故を防げることは保証されておらず、警告が出ないことが安全を意味するものでもありません。眠気を感じたときは、警告の有無にかかわらず休憩し、運転の責任は運転者にあるとしています。

『Open DMS Full』の夜間、サングラス、外部カメラ、2カメラ、脈拍やストレスの参考値といった機能は、近日リリース予定のものです。条件によっては検知できない場合があり、すべての環境やすべてのサングラスでの動作は保証されていません。脈拍・ストレスの値は参考値で、診断や、眠気・脇見の判定・警告には使われません。

Source: appbank